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【薬剤師が解説】冬のテニスの手荒れ・あかぎれ・ひび割れ対策|割れたら尿素はNG、グリップが滑らない塗り方

冬のテニスの手荒れ・あかぎれ対策 テニス
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どうも、じょりじょりです。普段はラケットやガットのインプレを書いていますが、本業は薬剤師です。

寒くなってくると増えるのが、指先のひび割れや、指の関節がパックリ割れるあかぎれです。テニスでは、ラケットを握るたびに割れたところが開いて痛いし、ハンドクリームを塗ればグリップが滑る。冬のテニスプレーヤーにはけっこう切実な悩みですよね。

実は、ドラッグストアに並んでいる「手荒れ用」のクリームには、割れた傷口に塗ってはいけないものがあります。今回は、手荒れ・ひび割れ・あかぎれの状態ごとの薬の選び方と、テニスの前後でのケア、グリップが滑らない塗り方を、薬剤師の目線でまとめます。

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結論:冬のテニスの手荒れ・あかぎれ対策

  • 割れる前のカサカサは、保湿剤をこまめに。洗った後と、寝る前が特に大事
  • 尿素クリームは割れたところに塗らない。添付文書で、亀裂(ひび割れ)への使用が禁止されている
  • 割れてしまったら、ワセリンで保護するか、液体絆創膏やハイドロコロイドの絆創膏でふさぐ
  • プレー前はベタつく軟膏を避け、なじむクリームを薄く。手のひらは塗りすぎない
  • プレー後は汗を洗い流してから、しっかり保湿
  • 寝る前はワセリンなどを厚めに塗って、綿の手袋をする
  • 赤み・かゆみ・小さな水ぶくれがある、膿が出る、2週間たっても治らない時は皮膚科へ

冬に手が割れる理由

冬は空気が乾燥しているうえ、気温が下がると皮脂や汗の量も減ります。皮膚の表面の角質層は、水分と油分で柔らかさを保っているので、両方が足りなくなると硬くなって、曲げ伸ばしの多い指の関節や指先から割れていきます。

テニスプレーヤーには、さらに手荒れしやすい条件がそろっています。

  • 冷たい風の中でラケットを握り続ける
  • 汗をかいて、乾いて、をくり返す
  • プレー後の手洗いやアルコール消毒が増える
  • グリップでこすれる場所に、タコや硬い角質ができている

特に、手のひらのタコや指の付け根の硬くなった皮膚は、柔軟性がないぶん割れやすい場所です。

状態別:何を塗ればいい?

手荒れ用の薬や保湿剤は、成分によって「割れる前に使うもの」と「割れた後に使えるもの」が分かれます。ここを間違えると、しみて痛いうえに悪化することもあります。

手の状態向いているもの注意
カサカサ・粉をふいている(割れる前)ヘパリン類似物質、尿素、ビタミンE配合のクリーム、一般的な保湿剤こまめに塗る
タコや角質が硬く厚くなっている尿素クリーム割れている所・傷には塗らない
ひび割れ・あかぎれ(出血なし)白色ワセリン、ひび・あかぎれ用の軟膏、液体絆創膏、ハイドロコロイド絆創膏尿素は使わない
割れて血がにじんでいる水で洗って、ワセリンやハイドロコロイド絆創膏で保護ヘパリン類似物質は出血している傷口には使わない
赤い・かゆい・小さな水ぶくれ・ジュクジュク自己判断で保湿だけ続けない手湿疹の可能性。皮膚科へ

尿素クリーム:割れる前と、硬くなった角質に

尿素は、硬くなった角質をやわらかくして、水分を抱え込む成分です。かかとのガサガサや、手のひらの硬くなったところにはよく効きます。

ただし、20%の尿素クリームの添付文書では、「きずぐち」「亀裂(ひび割れ)部位」「かさぶたのように皮膚がはがれているところ」「ただれ・赤くはれているところ」には使わないことが「してはいけないこと」に書かれています。副作用としても、痛み・熱感・ぴりぴり感などの刺激感が挙げられています(PMDA:新ケラチナミンコーワ20%尿素配合クリーム)。

「手荒れに尿素」と覚えている人は多いのですが、割れてからでは遅い成分です。割れる前の予防と、タコのケアに使いましょう。

ヘパリン類似物質:割れる前の保湿に。出血している所はNG

皮膚科でよく出る保湿剤と同じ成分で、市販品もあります。効能には「手足のひび・あかぎれ」「手指の荒れ」も入っていて、乾燥した手の保湿には使いやすい成分です。

一方で、市販品の添付文書では、出血のある傷口やかさぶたには使わないことになっています。また、血友病や血小板減少症など、血が止まりにくい病気の人は使えません(PMDA:エメロットHPクリーム 添付文書)。血がにじんでいるあかぎれには塗らず、まわりのカサカサした部分の保湿に使うのが安全です。

白色ワセリン:割れたところの保護に

ワセリンは、皮膚の表面に膜を作って水分が逃げるのを防ぎ、外からの刺激から守ってくれます。しみにくく、割れてしまったひび・あかぎれにも使いやすいのが強みです。市販の医薬品のワセリンでも、効能に「手足のひび、あかぎれ」が入っています(プロペト ピュアベールa 商品情報)。

弱点はベタつくこと。テニスの直前には向かないので、寝る前やオフの日に使いましょう。

ひび・あかぎれ用の軟膏

「ひび・あかぎれ」を効能にした市販薬には、傷の治りを助けるアラントインやパンテノール、血行を良くするビタミンE(トコフェロール酢酸エステル)、かゆみを抑える成分などを組み合わせたものがあります(PMDA:ヒビケア軟膏b)。ただれやジュクジュクがひどい時は、使う前に薬剤師に相談してください。

保湿剤の効果的な使い方:塗る回数がいちばん大事

薬剤師向けの専門誌、日経ドラッグインフォメーション(日経DI)の「冬場のスキントラブル」特集で、病院薬剤師の大谷道輝氏が保湿剤の使い方を解説していました(2016年12月号)。テニスの手荒れにも役立つポイントをまとめます。

ワセリンと、尿素・ヘパリン類似物質は働きが違う

保湿剤は大きく2つに分かれます。ワセリンのように皮膚の表面に油の膜を作って、水分が逃げるのを防ぐタイプと、尿素やヘパリン類似物質のように皮膚に水分を抱え込ませるタイプです。大谷氏らの検討では、肌の水分量の指標で比べると、後者のほうがワセリンよりも保湿効果が高かったそうです。

なので、割れる前の毎日の保湿は尿素やヘパリン類似物質、割れてしまった所の保護はワセリン、という使い分けが理にかなっています。

お風呂上がりにすぐ塗らなくても大丈夫

「保湿剤はお風呂上がりすぐに」とよく言われますが、記事によると、すぐに塗ったほうが効くという根拠ははっきりしないそうです。大谷氏らの検討でも、入浴の1分後に塗っても1時間後に塗っても、保湿効果に差はありませんでした。テニスの後のシャワーで慌てなくても、着替えてから落ち着いて塗れば十分です。

量は「ティッシュが落ちないくらい」、回数は1日2回以上

塗る量の目安は、塗った所にティッシュを乗せても落ちないくらい。回数は、1日1回より2回のほうが効果が高かったとされています。ローションは伸びがいいぶん、クリームより少なめに塗ってしまいがちなので、意識して多めに使いましょう。

皮膚科医も「とにかく何回も塗る」

日経メディカルの皮膚科の連載でも、皮膚科医の中村健一氏が、手荒れの薬が「効かない」理由で一番多いのは塗る回数が足りないことだと書いていました。手を洗うたびに皮膚を守る膜がはがれてしまうので、手洗いの後にすぐ塗る、1日に何回でも塗る、くらいの気持ちでちょうどいいそうです(2021年4月)。

プレーの合間や帰り道など、こまめに塗れるように、小さいチューブをテニスバッグに入れておくのがおすすめです。

割れてしまったら:ふさいで守る

パックリ割れたあかぎれは、開いたり閉じたりするたびに痛み、治りも遅くなります。ふさいで動かないようにするのが早く治すコツです。米国のメイヨー・クリニックも、指先のひび割れには、まず液体絆創膏で割れ目を閉じてから保湿することを紹介しています(Mayo Clinic)。

液体絆創膏

塗ると乾いて透明な膜になるタイプの絆創膏です。指の関節や指先のように、普通の絆創膏がはがれやすい場所でも使えて、グリップを握っても邪魔になりにくいので、テニスとの相性は一番良いと思います。

  • 手を洗って、水分や汗をよくふき取ってから、割れた部分だけに薄く塗る
  • 塗った瞬間に少ししみることがあるが、乾くとしみなくなる
  • 固まった膜は無理にはがさない。はがしたい時は上から重ね塗りして、乾く前にふき取る
  • 化膿している・ただれている・深い・出血している傷には使わない

このあたりは、液体絆創膏の添付文書の内容です(PMDA:あかぎれ保護液体バン)。

ハイドロコロイド絆創膏

キズパワーパッドのようなハイドロコロイドの絆創膏も、効能に「あかぎれ」が入っています。指に巻く指用や、指先に合わせた形のものもあります(キズパワーパッド 指用 商品情報)。痛みが強い時や、しっかり治したい時に向いています。先ほどの皮膚科医の連載でも、手のひび割れにはハイドロコロイドの絆創膏を貼るだけでも効果があると紹介されていました。

使い方の基本は、マメの記事で書いたのと同じです。消毒薬やクリームと一緒に使わない、水道水で洗ってから貼る、の2つは必ず守ってください。クリームを塗った上から貼ると、はがれやすくなります。

テニス中はグリップでこすれてずれやすいので、プレー前に貼るなら、上から非伸縮のテーピングで軽く押さえておくと安心です。

▶ 【薬剤師が解説】テニスのマメ・手の皮むけ・靴ずれのケア

テニスの前・中・後のケア

プレー前:塗るなら「なじむクリームを薄く、早めに」

一番の悩みが、塗るとグリップが滑ることだと思います。プレー前のポイントは次の3つです。

  • ワセリンや軟膏などベタつくものは避け、肌になじむクリームタイプを使う
  • コートに着く前、できればプレーの30分以上前に塗って、なじませておく
  • 手のひらは控えめに。手の甲・指の関節・指先を中心に塗り、手のひらは最後に余ったぶんを軽く伸ばす程度

それでも滑る時は、打つ前にタオルで手のひらを軽く押さえて、表面に残った油分を取りましょう。割れている指は、液体絆創膏を塗っておくか、テーピングを巻いておくと、握った時の痛みがかなり違います。

プレー中:冷やさない・乾かしすぎない

  • セット間やチェンジコートでは、手袋をしたり、カイロで手を温めたりして、手を冷やしすぎない
  • 汗はこまめにタオルで押さえる。こすらない
  • 冬は手が乾いていてドライ系のグリップが滑りやすいこともあるので、しっとりしたウェット系のグリップを試すのも手

手が乾燥してグリップが手に吸いつかない時は、滑り止めのローションを使う人もいます。ただ、割れているところにはしみることがあるので、成分表示を見てから使いましょう。

プレー後:洗ってから、すぐ保湿

汗や汚れが残ったままだと、肌荒れが悪化しやすくなります。英国皮膚科学会(BAD)の手荒れのケアの資料でも、手を洗ったら指の間までやさしく押さえるように水気をふき取り、洗うたびに保湿剤を塗ることがすすめられています(British Association of Dermatologists)。

  • ぬるま湯で洗う。熱いお湯は皮脂を取りすぎる
  • タオルでこすらず、押さえて水気を取る
  • アルコール消毒をした後も保湿を忘れずに

寝る前:ワセリン+綿の手袋

一番効くのが寝ている間のケアです。メイヨー・クリニックは、寝る前に油分の多いクリームやワセリンを指先に塗り、綿の手袋やガーゼで覆う方法を紹介しています。BADの資料でも、テレビを見ている時や寝る時など、手を使わない時間に保湿するのがすすめられています。

ワセリンを厚めに塗って綿の手袋をすると、朝にはかなりしっとりします。試合の前日の夜にやっておくと、当日の手の状態が変わってきます。

グリップまわりで見直したいこと

  • オーバーグリップを替える。古くて硬くなったグリップは、こすれる力が強くなる
  • グリップサイズを見直す。細すぎて強く握り込んでいると、指の付け根の皮膚に負担がかかる
  • 握りっぱなしにしない。打つ瞬間以外は軽く握るだけで、手のひらへの負担が減る

▶ テニスラケットのグリップサイズの選び方
▶ 【手汗対策】夏場でも滑らない!テニス用ドライ系オーバーグリップおすすめ3選&失敗しない選び方

こんな時は皮膚科へ

ただの乾燥ではなく、手湿疹(手荒れが進んで湿疹になったもの)や、ばい菌が入った状態のこともあります。手湿疹の多くは、手洗いや消毒などのくり返しの刺激で起きるタイプですが、なかにはかぶれ(アレルギー)が原因のものもあります。皮膚科では、深いひび割れにステロイドのテープ剤を貼るなど、市販薬ではできない治療も受けられます。次のような時は、市販薬で様子を見ずに皮膚科を受診してください。

  • 赤み・かゆみが強い、小さな水ぶくれがたくさんできている
  • ジュクジュクしている、皮がどんどんむける
  • 割れたところが赤く腫れる、ズキズキ痛む、膿が出る
  • 市販薬を5〜6日使っても良くならない、2週間たっても治らない
  • 指が紫っぽく腫れてかゆい(しもやけの可能性)
  • 糖尿病などの持病がある
  • 保湿を何回塗っても、すぐぶり返す(ゴム手袋などのかぶれが隠れていることも)

よくある質問

Q. ハンドクリームを塗るとグリップが滑ります

ワセリンや軟膏ではなく、なじみの良いクリームを使い、プレーの30分以上前に塗ってください。手のひらは控えめにして、打つ前にタオルで押さえれば、ほとんど気にならなくなります。しっかり塗りたいケアは、プレー後と寝る前に回しましょう。

Q. 尿素のハンドクリームを割れたところに塗ったら、しみました

尿素は、ひび割れや傷口には使わない成分です。しみるのは刺激が出ているサインなので、割れている所にはワセリンや液体絆創膏を使って、尿素はまわりの割れていない部分やタコのケアだけにしてください。

Q. 割れた指にテーピングを巻いてもいい?

割れ目が開かないように軽く固定する意味ではおすすめです。ただし、きつく巻くと血の巡りが悪くなるので、少しゆとりを持たせて、プレーが終わったら外しましょう。傷に直接テープの粘着面が当たらないよう、絆創膏の上から巻くのが安心です。

Q. テニス用の手袋はどう?

寒さ対策や手荒れの保護にはなりますが、グリップの感覚が変わるので好みが分かれます。プレー中より、セット間や行き帰りに手を冷やさないために使うのがおすすめです。

まとめ

  • 冬の手荒れは、割れる前の保湿が一番大事。回数を多く、1日2回以上
  • 尿素は割れる前とタコ用。ひび割れ・傷口には塗らない
  • ヘパリン類似物質は保湿向き。出血している傷口には使わない
  • 割れたらワセリン、液体絆創膏、ハイドロコロイド絆創膏で保護
  • プレー前はなじむクリームを薄く早めに、手のひらは控えめに
  • プレー後は洗ってすぐ保湿、寝る前はワセリン+綿の手袋
  • 赤み・かゆみ・水ぶくれ・膿があれば皮膚科へ

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参考資料

※この記事は一般的な情報です。持病のある人や、手の状態が心配な時は、医師や薬剤師に相談してください。

それではここまで読んで頂きありがとうございました。

この記事を書いた人:じょりじょり
薬剤師。JOPに挑戦しながら、ラケットとガットを試打してレビューしています。

じょりじょり

東北出身、テニス歴15年、

テニスラケット収集が趣味で90年代から現在のラケットまで幅広くコレクションしています。
最近はJOPにも挑戦中です。中々勝てませんが笑
年間ラケット購入数は過去最高50本です。
現在までのラケット、ストリング使用数は200を越えています。

メイン:プリンス ビースト100 2026
使用ストリング:ゴーセン G-tour1 

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