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【薬剤師が解説】テニスのマメ・手の皮むけ・靴ずれのケア|潰さないが基本、ハイドロコロイド絆創膏の正しい使い方

テニスのマメ・靴ずれのケア 薬剤師が解説 テニス
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どうも、じょりじょりです。普段はラケットやガットのインプレを書いていますが、本業は薬剤師です。

テニスを久しぶりに再開した時や、練習量を増やした時、新しいシューズをおろした時にできやすいのが、手のひらや足のマメ(水ぶくれ)と靴ずれです。

「マメは潰したほうが早く治る?」「キズパワーパッドを貼っておけば大丈夫?」とよく聞かれます。結論から言うと、マメは基本的に潰さないのが正解です。そして実は、ハイドロコロイドの絆創膏(キズパワーパッドなど)は、貼るタイミングを間違えると逆効果になることがあります。

今回は、マメの状態ごとの手当てと、ハイドロコロイド絆創膏の正しい使い方、テニスならではの予防法を、薬剤師の目線でまとめます。

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結論:テニスのマメ・靴ずれの手当て

  • マメ(水ぶくれ)は潰さない。上の皮は、傷を守る「天然の絆創膏」
  • 破れていないマメは、普通の絆創膏やクッション材でこすれから守る
  • 破れたら、皮ははがさず水道水で洗う。消毒薬は使わない
  • 皮がむけてジュクジュクしている時が、ハイドロコロイド絆創膏の出番
  • 赤く腫れる、ズキズキ痛む、膿が出る時は使わずに受診
  • 予防は「グリップ」「シューズと靴下」「練習量を少しずつ増やす」の3つ

マメ(水ぶくれ)ができる仕組み

マメは、皮膚の表面がこすれて、表皮の中が裂けることでできます。裂けたすき間に体液がたまったものが水ぶくれです。スポーツ医学の総説では、同じ場所に何度も力がかかり、表皮の細胞どうしが引き離されて起きると説明されています。手のひらや足の裏のように、角質が厚く、下の組織にしっかりくっついている場所ほどできやすいそうです(Sports Medicine, 1995)。

テニスでは、ラケットを振るたびにグリップが手のひらの中でわずかに動きます。足はフットワークのたびにシューズの中で動きます。この「こすれ」と、汗による「ふやけ」が重なると、マメができやすくなります。

そして大事なのは、水ぶくれの上の皮は、下の傷を守るふたの役割をしているということです。中の液体にも傷を治す成分が含まれています。米国皮膚科学会によると、ほとんどのマメは1〜2週間で自然に治ります(米国皮膚科学会)。

マメは潰す?潰さない?

基本は潰しません。英国の国民保健サービス(NHS)も、自分でマメを潰さないこと、破れた皮をはがさないこと、残った皮の端をいじらないことをはっきり挙げています(NHS:Blisters)。

潰すと、ふたがなくなって痛みが強くなるうえ、傷口から菌が入るきっかけを作ってしまいます。「潰したほうが早く治る」というのは、医学的な根拠のない思い込みです。

大きくてパンパンに張っている時は

ただし、大きくて痛みが強いマメについては、海外の皮膚科学会やスポーツ医学の文献で「皮は残して、中の液だけを抜く」という方法も紹介されています。NHSも、医師が消毒した針で抜くことがあると書いています。

この方法でも大事なのは、上の皮は絶対にはがさないことです。とはいえ、家にある針や安全ピンで自分でやるのは、感染の面でおすすめできません。試合が続くなどでどうしても困る時は、皮膚科や、大会のトレーナー・救護に相談してください。

糖尿病や血行障害がある人、ステロイドや免疫を抑える薬を使っている人は、自分で抜くのは絶対にやめてください。傷が治りにくく、感染すると悪化しやすいからです。

状態別の手当て

マメの状態やること使うもの
赤くヒリヒリしている(マメの手前)その日はそこに負担をかけない。プレーを続けるならテーピングなどで保護保護用のテープやパッド
水ぶくれ(破れていない)潰さない。こすれないように守る普通の絆創膏、クッション材
破れたが、皮が残っている皮ははがさず、水道水で洗って覆う普通の絆創膏
皮がむけて、ジュクジュクしている水道水でよく洗い、乾かさないように覆うハイドロコロイド絆創膏
赤く腫れる・ズキズキ痛む・膿・熱絆創膏で密閉しない。早めに受診皮膚科・外科を受診

破れていないマメ

こすれないように守るのが基本です。普通の絆創膏で覆うか、足の裏のように体重がかかる場所なら、マメの周りにクッションを当てて圧力を逃がします。米国皮膚科学会は、絆創膏の真ん中を少し浮かせるように貼ると、マメへの圧迫が減ると紹介しています。

破れてしまったマメ

中の液が出てしまっても、残った皮ははがさないでください。皮は下の傷を守り続けてくれます。手を洗ってから、水道水で傷をよく洗い、清潔な絆創膏で覆いましょう。

皮がむけてしまったマメ・靴ずれ

皮がなくなって、赤い部分からジュクジュクと液が出ている状態です。ここで力を発揮するのが、次に紹介するハイドロコロイドの絆創膏です。

ハイドロコロイド絆創膏の正しい使い方

キズパワーパッドに代表されるハイドロコロイドの絆創膏は、傷から出る体液(滲出液)を吸ってゲル状になり、傷を乾かさずに治す「湿潤療法(モイストヒーリング)」のための製品です。普通の絆創膏とは違い、「管理医療機器」に分類されています。

薬剤師向け専門誌の日経ドラッグインフォメーションでも、家庭用の創傷パッドの指導ポイントとして、次のような点が挙げられていました(2014年7月、全国救急絆創膏工業会の解説)。

  • 貼る前に消毒はせず、傷口を水でよく洗う
  • ハイドロコロイドの部分が傷口より大きいものを選ぶ
  • 体液が漏れてきたり、はがれたりしたら、すぐに新しいものに替える

貼り方のコツ

  • 手を洗ってから、傷とその周りを水道水でよく洗う
  • 傷の周りの水分・汗・油分をしっかりふき取る
  • 消毒液や軟膏・クリームは塗らない(はがれやすくなる。塗ってしまったら洗い流す)
  • 貼る前に両手で1分ほど温め、貼った後も手のひらで1分ほど押さえて密着させる
  • 切って使わない。切り口から水やばい菌が入りやすくなる
  • かかとなど動く場所は、皮膚を一番伸ばした状態で貼る

メーカーの説明では、傷の具合を確かめるため、少なくとも2〜3日に1回ははがして、感染のサインがないか確認するよう書かれています。パッドの端がはがれてきた時や、白いふくらみが端まで広がった時も貼り替えのサインです(バンドエイド キズパワーパッド Q&A)。

はがす時は横にゆっくり

パッドの端をつまんで、肌と平行に何回か軽く引っ張りながら、ゆっくりはがします。はがれにくい時は、お風呂などで温かいお湯をすき間に流し込むと、はがれやすくなります。できたばかりの新しい皮膚は弱いので、勢いよくはがすと一緒にはがれてしまいます。

破れていないマメに貼るのは要注意

ここが、意外と知られていないポイントです。

海外の足の専門家(ポダイアトリスト)は、ハイドロコロイドは皮がむけた傷のためのもので、破れていないマメに貼ると、はがす時に上の皮ごと持っていかれることがあると注意しています(Blister Prevention)。靴下を脱いだ時に、ずれたパッドが靴下にくっついて、皮ごとはがれてしまったという例も紹介されていました。

キズパワーパッドの公式Q&Aでも、破れる前の水ぶくれに「保護や圧迫の痛みを避ける目的」で使うことはできるとしています。ただし、体液が出ていないので白くは膨らまないこと、はがす時は皮膚を引っ張らないよう静かにはがすことが書かれています。

つまり、破れていないマメは普通の絆創膏かクッション材、皮がむけたらハイドロコロイドと使い分けるのが、一番失敗が少ない方法です。どうしても破れていないマメに貼る場合は、はがす時に特に気をつけてください。

手や指のマメにはふつうサイズ、かかとや足の指の靴ずれには、中央が厚めでクッション性のある靴ずれ用が使いやすいです。

白いゲルと膿の見分け方

はがした時に白くドロッとしたものがついていると、膿と勘違いしやすいです。メーカーのQ&Aをもとに、見分け方をまとめます。

滲出液(体液)・ゲル膿
色透明〜うすい黄色、ゲルは白〜グレーにごった黄色
形サラサラ(ゲルはやわらかいゼリー状)ねばねばしている
においないある
出る時期傷ができて数時間〜1日傷ができて3〜4日後
傷の周り強い痛みはない赤く腫れて、ズキズキ痛む

膿のようなら、使うのをやめて受診してください。

ハイドロコロイド絆創膏を使ってはいけない場面

ハイドロコロイドは傷を密閉するので、ばい菌がいる傷に貼ると、中で増やしてしまうことがあります。メーカーの使用上の注意をもとに、マメ・靴ずれで関係するものをまとめます。

  • 感染している傷:周りが赤い、ズキズキした痛みが続く、膿がある、熱や腫れがある
  • 時間がたった傷:体液や血が乾いてかさぶたになりかけているもの。かさぶたができたら、上から普通の絆創膏で保護
  • 砂や土などの汚れが取れない傷:ハードコートで転んですりむいた時など、洗っても取れなければ受診
  • 水虫がある場所:足の裏や指の間に水虫がある場合は使えない
  • 消毒薬や軟膏を塗った直後:水道水で洗い流してから貼る
  • 糖尿病や血行障害がある人:使う前に医師か薬剤師に相談

テニスの手のマメを防ぐには

グリップのサイズと巻き方を見直す

グリップが手に合っていないと、スイングのたびにラケットが手の中でねじれて、同じ場所がこすれます。細すぎると握りしめて力が入り、太すぎると指先だけで握る形になりがちです。マメがいつも同じ場所にできるなら、グリップサイズやオーバーグリップの厚さを見直してみてください。

オーバーグリップは早めに替える

すり減ったり、汗でツルツルになったりしたオーバーグリップは、ラケットが滑って手のひらとの摩擦が増えます。汗をかきやすい人は、汗を吸うドライタイプのグリップを選ぶ、セット間にタオルで手をふく、などで滑りを減らせます。

練習量は少しずつ増やす

皮膚は、くり返し軽い刺激を受けると少しずつ厚くなって、マメができにくくなります。逆に、久しぶりのテニスや急な練習量の増加は、皮膚が慣れていないのでマメができやすくなります。赤くヒリヒリしてきたら、その日はやめておくのが、結局は一番の近道です。

タコは削りすぎない

マメをくり返すと、手のひらにタコ(胼胝)ができてきます。タコは皮膚を守るためにできたものなので、引っかかって痛い時に表面を軽く整える程度にしましょう。削りすぎると、かえってその下にマメができやすくなります。

足のマメ・靴ずれを防ぐには

  • シューズのサイズを合わせる。大きすぎると中で足が動き、小さすぎると一点に圧がかかる
  • ひもは足首側までしっかり締める。かかとが浮くと、かかとの靴ずれの原因になる
  • 新しいシューズは短い時間から慣らす。試合でいきなりおろさない
  • 汗を吸う厚手のスポーツソックスを選ぶ。汗をかいたら替える
  • マメができやすい場所は、プレー前に保護用のテープやパッドを貼っておく

靴下は、綿よりも汗を逃がすタイプが推奨されています。足のマメの予防策を調べた2024年の論文では、厚手でクッションのあるアクリル系の靴下や、インソールには効果の根拠がある一方、パウダーや制汗剤には予防効果の根拠がないとされていました(Journal of Athletic Training)。

ちなみに、キズパワーパッドは傷を治すための製品なので、マメができる前の予防には向きません。メーカーも、予防には別の保護用製品をすすめています。予防と治療で、使う製品を分けましょう。

試合中にマメが破れたら

  • プレーを止められるなら、水で洗って、清潔な絆創膏で覆う
  • 皮ははがさない。はがれかけてプレーの邪魔になる場合も、できるだけ残して上から覆う
  • 大会の時は、絆創膏・保護用パッド・テープ・小さいハサミをバッグに入れておく
  • 試合後、皮がむけてジュクジュクしていたら、水道水で洗ってハイドロコロイド絆創膏に替える

こんな時は受診を

  • 傷の周りが赤く腫れて広がる、熱を持つ、ズキズキ痛む
  • 黄色や緑色の膿が出る、においがする
  • 熱が出てきた
  • こすれた覚えがないのに水ぶくれがいくつもできた
  • くり返しできる、なかなか治らない
  • 糖尿病などの持病がある

NHSも、感染したマメを放っておくと、皮膚や血液の感染症につながることがあると注意しています。

よくある質問

Q. 消毒はしたほうがいい?

マメや靴ずれのような小さな傷なら、消毒より水道水でよく洗うことが大事です。消毒薬は、傷を治す細胞まで傷めることがあります。ハイドロコロイド絆創膏を使う時は、消毒薬を使わないのが前提です。

Q. 抗生物質の塗り薬は塗ったほうがいい?

感染していないマメには、基本的に必要ありません。スポーツ医学の総説でも、抗生物質がマメの治りを良くするという根拠はないとされています。赤く腫れる、膿が出るなど感染が疑われる時は、自己判断せずに受診してください。

Q. 血豆(中が赤や黒い水ぶくれ)は?

皮膚の下の細い血管も傷ついた状態です。基本は普通のマメと同じで、潰さずに守ります。痛みが強い、大きい、くり返す時は受診してください。

Q. 皮がむけた後、テニスはしていい?

痛みがなく、ハイドロコロイド絆創膏などでしっかり保護できていれば、軽い練習はできます。動くとパッドがずれやすいので、プレー後に傷を確認して、必要なら貼り替えてください。

まとめ

  • マメは潰さない。上の皮は天然の絆創膏
  • 破れていないマメは、普通の絆創膏やクッション材で守る
  • ハイドロコロイド絆創膏は、皮がむけてジュクジュクした傷に使う。消毒薬・軟膏とは併用しない
  • はがす時は横にゆっくり。破れていないマメに貼った時は特に注意
  • 赤み・ズキズキ・膿・熱があれば使わずに受診
  • 予防は、グリップ、シューズと靴下、練習量を少しずつ増やすこと

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参考資料

※この記事は一般的な情報です。持病のある人や、傷の状態が心配な時は、医師や薬剤師に相談してください。

それではここまで読んで頂きありがとうございました。

この記事を書いた人:じょりじょり
薬剤師。JOPに挑戦しながら、ラケットとガットを試打してレビューしています。

じょりじょり

東北出身、テニス歴15年、

テニスラケット収集が趣味で90年代から現在のラケットまで幅広くコレクションしています。
最近はJOPにも挑戦中です。中々勝てませんが笑
年間ラケット購入数は過去最高50本です。
現在までのラケット、ストリング使用数は200を越えています。

メイン:プリンス ビースト100 2026
使用ストリング:ゴーセン G-tour1 

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