【薬剤師が解説】テニス肘の湿布・塗り薬・サポーターの選び方|ロキソニン・ボルタレンの違いと注意点

テニス肘の湿布・サポーターの選び方(薬剤師が解説) テニス

こんにちは、じょりじょりです。普段はラケットやガットのインプレを書いていますが、本業は薬剤師です。

テニスをしていると、一度は悩まされるのがテニス肘です。バックハンドを打つたびに肘の外側がズキッとする、ペットボトルのふたを開けるのもつらい。僕のまわりのテニス仲間でも、本当によく聞く悩みです。

ドラッグストアでも「テニス肘にはどの湿布がいいですか?」という相談はよく受けます。ただ、湿布や塗り薬は種類が多く、成分の違いや注意点まで分かって選んでいる人は少ないと感じます。

この記事では、薬剤師とテニスプレーヤーの両方の目線で、テニス肘に使う湿布・塗り薬・サポーターの選び方をまとめました。

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結論:テニス肘の湿布・サポーター選びはこれ

  • 湿布・塗り薬は「成分」で選ぶ:市販で迷ったら、ロキソプロフェン(ロキソニンSテープなど)。ジクロフェナク(ボルタレンEXなど)も同じく強めの成分
  • 肘には「テープ剤」が使いやすい:薄くてはがれにくく、曲げ伸ばしの多い肘でもズレにくい
  • サポーターは「エルボーバンド」:痛い場所ではなく、そこから指2〜3本分手首側の筋肉に巻く。筆者のおすすめはザムスト
  • 15歳未満は市販の強い湿布が使えない:ジュニアの子は自己判断で大人の湿布を貼らない
  • 屋外テニスでは「光線過敏」に注意:特に病院でもらうケトプロフェンの湿布
  • 2週間たっても良くならないなら整形外科へ

テニス肘とは? まずは自分の症状をチェック

テニス肘は、正式には上腕骨外側上顆炎(じょうわんこつ がいそくじょうかえん)といいます。肘の外側の骨の出っ張り(外側上顆)に付いている、手首を反らす筋肉の腱が傷んで痛みが出る状態です。

テニスでは、特に片手バックハンドで手首を使って打つ人や、打点が遅れがちな人に多いです。ただ、実際にはテニスをしない人にも多く、パソコン作業や家事、重い物を持つ仕事でもなります。

こんな症状ならテニス肘かも

  • 肘の外側を押すと痛い
  • バックハンドや、ボールを打った瞬間に肘の外側が痛む
  • タオルをしぼる、ドアノブを回す、ペットボトルのふたを開けると痛い
  • 手のひらを下にして物を持ち上げると痛い(手のひらを上に向けると楽)
  • 肘を伸ばした状態で、中指を上から押さえられながら持ち上げようとすると肘の外側が痛む

すぐに病院に行ったほうがいいケース

次のような場合は、湿布で様子を見ずに整形外科を受診してください。テニス肘以外の病気や、ケガの可能性があります。

  • 転んだ、ぶつけたなど、はっきりしたケガのあとから痛い
  • 肘が大きく腫れている、熱を持っている
  • 手や指にしびれがある
  • 肘が曲がりきらない・伸びきらない
  • 何もしていなくても痛い、夜中に痛みで目が覚める

湿布・塗り薬は「成分」で選ぶ

ドラッグストアの湿布売り場には、たくさんの商品が並んでいます。でも、薬剤師の目線で見ると、大事なのはパッケージではなく入っている成分です。テニス肘によく使われる成分をまとめました。

成分主な商品例区分特徴
ロキソプロフェンロキソニンSテープ・EXテープなど第2類飲み薬でもおなじみの成分。市販の外用薬では強めで、1日1回でいい
ジクロフェナクボルタレンEXテープ・ゲルなど第2類こちらも市販では強めの成分。1日1回で、1回2枚まで
フェルビナクフェイタス5.0など第2類やや強めで、価格が手ごろな商品が多い
インドメタシンバンテリンコーワなど第2類昔からある成分で、鎮痛効果もしっかりめ。塗り薬(液・ゲル・クリーム)が多い
サリチル酸メチルなど昔ながらの貼り薬第3類などスーッとする・温かい感じが中心。効き目は穏やか
※区分は代表的な商品のもの。同じ成分でも商品によって違うことがあります

市販で迷ったら、まずはロキソプロフェン配合のもの(ロキソニンSテープなど)を選べば大きく外しません。ロキソニンSテープは、効能・効果にも「肘の痛み(テニス肘など)」と書かれています。ジクロフェナク(ボルタレンEXなど)も同じく強めの成分なので、どちらか使い慣れたほうで大丈夫です。

ロキソプロフェン、ジクロフェナク、フェルビナク、インドメタシンは、どれも「非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)」という痛み止めの仲間です。サリチル酸メチルなどの昔ながらの貼り薬より、炎症と痛みを抑える力は強めです。

スポーツをする人にはどれがいい?

  • テニス肘など、はっきり痛む場所がある:ロキソプロフェンかジクロフェナクのテープ剤
  • 練習後の軽い筋肉痛・張り:フェルビナクやサリチル酸メチル系でも十分なことが多い
  • プレー中に使いたい:汗ではがれにくいテープ剤か、塗り薬
  • 広い範囲が痛い(太ももや背中など):大判のパップ剤や、塗りやすいローション

ちなみに、飲み薬のロキソニンに漢方を組み合わせた「ロキソニン プロ フィジカル」については、別の記事で詳しく解説しています。

湿布(パップ)・テープ・ゲル、肘にはどれ?

剤形良いところ気になるところ向いている場面
テープ剤薄くてはがれにくい。目立たないかぶれやすい人もいる肘にはこれが一番使いやすい
パップ剤(白くて厚い湿布)水分が多く、かぶれにくい。ひんやり感がある厚くてはがれやすい。肘の曲げ伸ばしでズレる夜、寝る前に貼る
ゲル・クリーム・ローション毛があってもOK。何度でも塗れるベタつくことがある練習前後、サポーターの下

肘は曲げ伸ばしが多いので、厚いパップ剤はすぐにはがれてしまいます。昼間はテープ剤、夜はかぶれにくいパップ剤、と使い分けるのもおすすめです。

冷感と温感、どっちがいい?

「冷やすのと温めるの、どっちがいいですか?」もよく聞かれます。目安はこうです。

  • 痛めたばかり(数日以内)・熱っぽい・腫れている:冷感タイプ。あわせて保冷剤などで冷やす
  • 何週間も続いている慢性的な痛み:温感タイプでもOK。気持ちいいと感じるほうを選ぶ

ただし、冷感・温感の違いは、主に貼ったときの「感じ方」です。冷感はメントール、温感はトウガラシエキス(カプサイシン)などが皮膚の感覚を刺激しているだけで、湿布を貼っても患部の温度はほとんど変わらないとされています。効き目に関わるのは、あくまで中に入っている鎮痛成分です。なお、温感タイプ(トウガラシエキスなど)は、お風呂の前後に貼るとヒリヒリしやすいので、入浴の1時間前にははがしておきましょう。

薬剤師が伝えたい、湿布の注意点

湿布は気軽に使えるぶん、注意点を知らずに使っている人も多いです。特にテニスをする人に気をつけてほしいことをまとめます。

① 15歳未満は使えない湿布が多い

ロキソプロフェンやジクロフェナクの市販薬は、15歳未満は使えません。お子さんが「肘が痛い」と言ったとき、親の湿布をそのまま貼るのはやめてください。子どもに使える湿布(サリチル酸メチル系など)もあるので、ドラッグストアで薬剤師に年齢を伝えて選んでもらいましょう。ジュニア選手の肘の痛みは、成長期特有のケガのこともあるので、早めに整形外科で診てもらうのが安心です。

② 妊娠中の人、ぜんそくの人は自己判断で使わない

ロキソニンSテープやボルタレンEXテープは、妊婦または妊娠していると思われる人は使えません。また、痛み止めや風邪薬、湿布でぜんそくを起こしたことがある人も使えません。当てはまる人は、必ず医師・薬剤師に相談してください。

③ 湿布の重ね使い・飲み薬との併用に注意

ロキソニンSテープの説明書には、使用中はほかの外用の鎮痛消炎薬を使わないように書かれています。「肘にロキソニン、手首には別の湿布」のような使い方は避けましょう。飲み薬の痛み止めと一緒に使いたいときも、一度薬剤師に相談してください。

④ 2週間以上、続けて使わない

市販の湿布は、5〜6日使っても良くならなければ使用をやめて相談、2週間以上は続けて使わない、と決められています。湿布で痛みをごまかしながらテニスを続けると、かえって長引くことがあります。

⑤ 屋外テニスの人は「光線過敏」に要注意

これはテニスをする人に特に知っておいてほしい注意点です。湿布の成分によっては、貼った場所に日光が当たると、赤く腫れたり、水ぶくれができたりすることがあります(光線過敏症)。

特に注意が必要なのが、病院で処方されることが多いケトプロフェンの湿布(モーラステープなど)です。患者さん向けの説明書でも、使用中は貼った部分を衣服やサポーターで覆って光に当てないこと、はがしたあともしばらくは同じように注意することが書かれています。

「朝まで貼っていた湿布をはがして、半袖で炎天下のテニス」は危ないパターンです。屋外でテニスをする人は、処方薬の湿布をもらうときに「屋外でテニスをする」と医師・薬剤師に伝えてください。市販のジクロフェナク(ボルタレンEX)にも、まれな副作用として光線過敏症が書かれています。

筆者はしっかりやらかしました。結構痛かったので気をつけてくださいね。

⑥ ドーピングは?

大会に出る人向けの補足です。ロキソプロフェンやジクロフェナクなどの湿布・塗り薬は、2026年の禁止表でも禁止物質ではありません。一方で、テニス肘の治療で使われることがあるステロイドの注射は、競技会時に禁止されています。詳しくはテニスの大会前に飲んではいけない市販薬の記事にまとめています。

サポーターは「エルボーバンド」がおすすめ

テニス肘のサポーターには、大きく分けて2つのタイプがあります。

タイプ特徴向いている人
エルボーバンド(ベルト型)前腕の筋肉をピンポイントで押さえて、腱にかかる負担を減らす。テニス中も邪魔になりにくいプレー中に使いたい人。まずはこれ
スリーブ型(筒型)肘全体を包んで保温・サポート。安心感がある普段使い、冷えると痛む人

テニスをしながら使うなら、エルボーバンドがおすすめです。手首を反らす筋肉を外から押さえることで、肘の付け根にかかる引っぱりの力を分散させるのが狙いです。

筆者のおすすめは、なんだかんだザムスト

筆者自身、これまでいくつかのメーカーのサポーターを試してきましたが、なんだかんだで一番良かったのはザムストでした。良かったところはこんな感じです。

  • 締め付けを調節しやすい:ストラップで強さを細かく変えられるので、その日の痛みや腕の張り具合に合わせやすい
  • 締め付け具合がちょうどいい:きつすぎず、でもちゃんと押さえられている感じがあって、プレー中も安心感がある
  • 押さえたいところだけ押さえてくれる:パッドで腱のあたりをピンポイントで圧迫する作りなので、効かせたい場所がはっきりしている
  • スイングの邪魔にならない:バンド型で薄く、ラケットを振っても気にならない。肘の内側の痛み(ゴルフ肘)にも使える

ほかに使っている人の口コミや海外ショップのレビューを見ても、「プレー中に邪魔にならず、痛いところをしっかり押さえてくれる」という評価が多いです。迷ったら、まずはザムストのエルボーバンドから試してみるのがおすすめです。

エルボーバンドの正しい付け方

  1. 肘を軽く曲げて、一番痛いところ(肘の外側の骨の出っ張りあたり)を確認する
  2. そこから指2〜3本分、手首側の、前腕の筋肉が盛り上がっているところにパッドを当てる
  3. 手を握ったときに少し圧迫を感じるくらいの強さで巻く。指が1本入るくらいが目安
  4. プレー中や作業中だけ付けて、休むときは外す

よくある間違いが、痛いところの真上に巻いてしまうことです。これだと効果が出にくいので、必ず少し手首側にずらしてください。また、きつく巻きすぎると手がしびれたり、むくんだりします。しびれを感じたらすぐに緩めましょう。

プレー中以外の普段使いや、冷えると痛む人には、肘全体を包むスリーブ型も便利です。

今すぐ欲しいときは、ドラッグストアですぐに手に入るバンテリンのひじ用サポーターも便利です。価格も手ごろなので、まずお試しで使ってみたい人にも向いています。

ギアを見直すのも立派な対策

ここからはテニスブロガーとしての話です。テニス肘は、道具を変えるだけで楽になることも多いです。湿布やサポーターとあわせて見直してみてください。

  • ガットを柔らかくする:硬いポリを高いテンションで張っているなら、まずテンションを下げる。それでも痛むなら、ナイロンやハイブリッドに変える(ストリングおすすめ48選の「腕に優しい」ガットも参考に)
  • ガットを伸びたまま使わない:伸びたポリは衝撃を吸収しにくい。週1でもこまめに張り替えるか、テンション維持の良いポリを選ぶ(3か月放置でも性能が落ちにくいポリ3選)
  • 振動を抑えるアイテムを使う:筆者はグリップに巻くFLAXで、肘や手首の疲れが残りにくくなりました(FLAXのレビュー)
  • グリップサイズを見直す:細すぎるグリップは強く握ってしまい、腕に力が入りやすい
  • 片手バックの打点を見直す:打点が遅れて手首で合わせていると、肘に負担がかかりやすい。コーチに一度見てもらうのもあり

テンションの決め方や張り替えの目安は、ガットのテンション目安の記事で詳しく解説しています。

自分でできるストレッチ

痛みが落ち着いてきたら、手首を反らす筋肉のストレッチもおすすめです。

  1. 痛い側の腕を前にまっすぐ伸ばし、手のひらを下に向ける
  2. 反対の手で、伸ばした手の甲を持ち、手首をゆっくり下(手前)に曲げる
  3. 前腕の外側が伸びているのを感じながら、15〜30秒キープする
  4. 練習前後や、お風呂上がりに2〜3回ずつ

痛みが強くなるところまで無理に伸ばす必要はありません。「気持ちよく伸びている」くらいで止めてください。

整形外科では何をする?

テニス肘は、多くの場合、手術をしない治療(保存療法)で良くなります。休む、湿布や飲み薬を使う、ストレッチやリハビリ、バンドの使用などが中心です。半年から1年かかることもありますが、多くはこれで治ると言われています。

痛みが強いときは、ステロイドの注射をすることもあります。すぐに痛みが引くことが多い一方で、効果は短期的で、何度も繰り返すのは良くないとされています。前の章で書いたとおり、大会に出る人はドーピングの面でも注意が必要です。長い目で見ると、リハビリで筋肉の使い方を整えていくことが大切です。

「湿布を貼れば治る」ではなく、湿布は痛みをやわらげて、リハビリやギアの見直しをしやすくするためのものと考えるのがおすすめです。

まとめ

  • 湿布・塗り薬は成分で選ぶ。市販で迷ったらロキソプロフェン(ロキソニンSテープなど)
  • 肘にはテープ剤が使いやすい。夜はかぶれにくいパップ剤もあり
  • サポーターはエルボーバンドを、痛い場所から指2〜3本分手首側に
  • 15歳未満・妊娠中・ぜんそくの人は自己判断で使わない
  • 屋外テニスの人は、ケトプロフェンの湿布の光線過敏に注意
  • 2週間以上良くならないなら整形外科へ。ガットやテンションの見直しもセットで

テニス肘は、我慢して続けると長引きやすいケガです。痛みが出たら早めに対策して、長くテニスを楽しみましょう。

※この記事は一般的な情報です。症状や持病、ほかに使っている薬によって合う・合わないがあります。使用前には必ず説明書を読み、迷ったら医師・薬剤師・登録販売者に相談してください。

参考資料

この記事を書いた人:じょりじょり
薬剤師。JOPに挑戦しながら、ラケットとガットを試打してレビューしています。

じょりじょり

東北出身、テニス歴15年、

テニスラケット収集が趣味で90年代から現在のラケットまで幅広くコレクションしています。
最近はJOPにも挑戦中です。中々勝てませんが笑
年間ラケット購入数は過去最高50本です。
現在までのラケット、ストリング使用数は200を越えています。

メイン:プリンス ビースト100 2026
使用ストリング:ゴーセン G-tour1 

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