どうもじょりじょりです。
今日は、レイトン・ヒューイット選手が現役時代に実際に使っていたラケットとストリングの紹介です。
ヒューイット選手はオーストラリアの選手で、2001年に20歳で年間1位になり、2001年の全米オープンと2002年のウィンブルドンで優勝しました。粘り強いカウンターと「カモン!」の雄たけびで一時代を築き、2016年の全豪オープンを最後に引退しています。
ヒューイット選手のラケットは、プロの塗装(ペイントジョブ)の代表例としてよく名前が挙がります。キャリアのほとんどを1996年発売のスーパーRDツアー90で戦い、表向きはその時々の最新モデルの塗装をしていたからです。
※2026年10月26日時点でまとめた情報です。プロのラケットの中身はメーカーが公表していないので、型や中身の話は海外の掲示板や当時の報道で言われている情報です。
▶ ほかの選手の使用ラケットは「プロ選手の使用ラケット一覧」で探せます
この記事のポイント
- ジュニア時代はプリンスのオリジナルグラファイト、1998年にヨネックス スーパーRDツアー90へ
- 全米・ウィンブルドン優勝もスーパーRDツアー90。塗装だけTi-50→MPツアー1→RDX500→RDS001と変わっていった
- 2004年の全米オープンで、塗装だったことが報道されて話題に
- 2007年夏にRQiS 1ツアー(95)に本当に変えたが、2008年3月に元に戻した
- 2009年末ごろにRDiS 100 Mid(93)、その後VCORE 95Dの系統へ。最後は「型を組み合わせた特注」とも
- ストリングは縦VSチーム(ナチュラル)×横アルパワーを50〜51ポンド(2007年)
ヒューイットの使用ラケット
Embed from Getty Images Embed from Getty Images上の写真は、2002年のウィンブルドン決勝(ナルバンディアン選手戦)と、2014年のブリスベンのものです。
キャリアのほとんどはスーパーRDツアー90
ヒューイット選手はジュニア時代にプリンスのオリジナルグラファイト(ミッド)を使っていて、ツアーに出始めた1998年にヨネックスのスーパーRDツアー90に変えました。スーパーRDツアー90は1996年に出た90平方インチのモデルで、クライチェク選手が使っていたラケットです。
そこからヒューイット選手は、このスーパーRDツアー90にその時々の最新モデルの塗装をして使い続けます。海外の掲示板Talk Tennisで2016年の引退前にまとめられた一覧(と、その後の訂正)では、次のように整理されています。
| 時期 | 塗装(表向きのモデル) | 中身 |
|---|---|---|
| 〜1998年 | プリンス オリジナルグラファイト | 同じ |
| 1998年〜 | スーパーRDツアー90 | 同じ |
| 2001年 全米優勝 | アルティマムRD Ti-50 | スーパーRDツアー90 |
| 2002年 ウィンブルドン優勝 | MPツアー1 90 | スーパーRDツアー90 |
| 2004年〜 | RDX500 Mid | スーパーRDツアー90 |
| 2006年〜 | RDS001 Mid | スーパーRDツアー90 |
| 2007年8月〜 | RQiS 1ツアー(95) | RQiS 1ツアー(本当に変更) |
| 2008年3月〜 | RDS001 Mid(古い塗装) | スーパーRDツアー90に戻す |
| 2009年末ごろ〜 | RDiS 100 Mid(93) | RDiS 100 Mid(本当に変更) |
| 2011年〜 | VCORE 95D | VCORE 95D系 |
| 2013年〜 | VCOREツアー97 | VCORE 95D系(特注という声も) |
2004年の全米で「塗装」が報道される
2004年の全米オープンでは、アメリカのESPNが「ヨネックスのカタログではヒューイット選手はRDX500を使っていることになっているが、実際に試合で使っていたのは、新しいモデルに見えるように塗装された、もう売っていない古いラケットだった」という趣旨の記事を出しました。この記事は、プロのペイントジョブが一般に知られるきっかけの一つになり、掲示板でも何度も引用されています。
2007年、本当にRQiS 1ツアーに変える
2007年8月のモントリオールで、ヒューイット選手は新しいRQiS 1ツアー(95平方インチ、フレームの厚さが18.5〜25mmと太い)で登場します。今度は塗装ではなく本当に変えたと見られていて、ミッドサイズにこだわってきた選手が95に変えたことで「ミッドサイズの時代が終わる」と大きな話題になりました。
ところが2008年3月のインディアンウェルズでは、RDS001の古い塗装のラケットに戻っていて、掲示板では「中身はスーパーRDツアー90に戻した」という見方が多数でした。ヨネックスがRQiSを持つヒューイット選手の全面広告を出した直後だったので、「ヨネックスは気まずいだろう」とも書かれています。
2009年末にRDiS 100 Mid、そしてVCORE 95D
2010年のスレッドでは「ヒューイット選手は長年スーパーRDツアー90を使っていたが、2009年の終わりごろにRDiS 100 Mid(93平方インチ)の型に本当に変えた。スペックは元のスーパーRDツアー90に合わせている」と説明されています。このころのスペックとしてガットなし346g・バランス310mmという書き込みもあります。
その後はVCORE 95Dの塗装になり、2013年ごろからはVCOREツアー97の塗装の下で95Dを使っていると言われていました(ワウリンカ選手も同じと言われていた組み合わせです)。2014年の全米では一時EZONE Ai 98を持っている写真もありましたが、試合ではVCOREに戻しています。
引退前の特別塗装と「特注の型」
2016年の引退前には、オーストラリア国旗のような特別塗装のラケットを使い、オーストラリアだけで少数が販売されました。買った人の書き込みでは「93平方インチで、ガットなし340g・バランス315mm」「12時の位置に鉛が入っている」とされていて、中身が95DなのかRDiS 100 Midなのかで議論になっています。
2023年の掲示板では「ヨネックスは、ヒューイット選手の現役終盤のラケットが、複数の型を組み合わせた特注の型と特注のレイアップだったと事実上認めている」という書き込みもあり、最後は世界に一つのラケットだった可能性があります。
長さは26.75インチ
元テニスウェアハウスのスタッフという人の書き込みでは、ヒューイット選手のスーパーRDツアー90はガットなしで26.75インチと、普通より0.25インチ短かったそうです。「本人のものとされるラケット」を手に入れた人は、ガットなし354g・バランス30.5cmと測っています。
| 項目 | スーパーRDツアー90時代(書き込み) | RDiS 100 Mid時代(書き込み) | 市販 VCORE 95D |
|---|---|---|---|
| フェイスサイズ | 90平方インチ | 93平方インチ | 95平方インチ |
| 重さ(ガットなし) | 354g(本人のものとされる1本) | 346g | 320g |
| バランス(ガットなし) | 30.5cm | 310mm | 310mm |
| 長さ | 26.75インチ | ― | ― |
| ストリングパターン | ― | ― | 16×20 |
ヒューイットの使用ストリング
ストリングについては、2007年にモントリオールとシンシナティでヒューイット選手のラケットを張ったストリンガー本人が、掲示板で詳しく書いています。
- 縦はバボラ VSチーム 1.30(ナチュラル)、横はルキシロン アルパワー
- テンションはモントリオールで51ポンド、シンシナティで50ポンド
- このハイブリッドにしたのは2004年の終わりから2005年の初めごろ。それまではVSチーム 1.30のフル張り
2005年の写真では、グリップエンドに「53」のシールが貼られていたという書き込みもあります。VCORE 95Dの時代も「アルパワーとVSのナチュラル」と言われていて、引退まで縦ナチュラル×横アルパワーを続けたようです。
| 時期 | ストリング | テンション |
|---|---|---|
| 〜2004年ごろ | バボラ VSチーム 1.30(フル張り) | ― |
| 2005年ごろ〜 | 縦VSチーム 1.30×横アルパワー | 「53」のシールという書き込み(2005年) |
| 2007年 | 同上 | 50〜51ポンド(ストリンガー談) |
| 2011年ごろ〜 | 縦VS×横アルパワー | ― |
小さめのヨネックスとアルパワーを使った僕の感想
スーパーRDツアー90そのものは打ったことがありませんが、近いフェイスサイズのヨネックスではVCOREツアー89を打っています。ストロークは柔らかい打感で狙い通りに飛び、89平方インチとは思えないくらいスピンもかかりました。そのかわりボレーは、芯を外すとボテボテのボールしか打てず、自分のボレーの雑さを思い知らされました笑
VCORE 95(2023)は、100・98・95の中で一番使いやすく、フラット気味に打ってもベースライン際で落ちてくれるVCOREらしさがありました。
アルパワーは、手で触ると硬いのに打つと芯のある柔らかい打感で、球質の良さは今でも再現できるストリングがないと思っています。ヒューイット選手は、小さくて重いラケットに縦ナチュラル×横アルパワーを50ポンドくらいで張って、相手のボールを正確に返し続けていたわけで、「当てる場所が正確な人ほど小さいラケットの良さが出る」というのを体現していた選手だと思います。
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市販でヒューイットのセッティングに近づけるなら
- ラケット:今のヨネックスで一番近いのはVCORE 95。中身まで近づけるなら中古のスーパーRDツアー90やRDS001 Mid
- ストリング:縦ナチュラル(VSタッチ)×横アルパワー
- テンション:本人は50〜51ポンド(2007年)。一般の人もそのくらいから
- 重さ:本人は340〜350g台(ガットなし)と言われます。一般の人は無理せず、鉛は少しずつ
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よくある質問
Q. ヒューイットのラケットは?
A. キャリアのほとんどはヨネックスのスーパーRDツアー90で、塗装だけ最新モデルにしていました。2009年末ごろからはRDiS 100 Mid、その後はVCORE 95D系です。
Q. ヒューイットが全米・ウィンブルドンで優勝したラケットは?
A. どちらもスーパーRDツアー90と言われています。塗装は2001年全米がアルティマムRD Ti-50、2002年ウィンブルドンがMPツアー1でした。
Q. ヒューイットのストリングは?
A. 2005年ごろからは縦バボラ VSチーム 1.30×横ルキシロン アルパワーで、2007年のテンションは50〜51ポンドでした。
まとめ
- キャリアのほとんどはスーパーRDツアー90に最新モデルの塗装
- RQiS 1ツアーに一度変えて戻し、2009年末にRDiS 100 Mid、その後VCORE 95D系
- ストリングは縦VSチーム×横アルパワーを50〜51ポンド
それではここまで読んで頂きありがとうございました。
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参考(確認日:2026年10月26日)
- Talk Tennis「Lleyton Hewitt racquet history」(2016年)
- Talk Tennis「Hewitt back to RDS001」(2008年)
- Talk Tennis「Hewitt to New racquet by US OPEN」(2007年)
- Talk Tennis「Hewitt’s String on RQiS」(2007年)
- Talk Tennis「Lleyton Hewitts Yonex Racquet」(2010年〜2011年)
- Talk Tennis「Lleyton Hewitt Hopman Cup frame?」(2016年)
- Talk Tennis「Yonex pro stock」(2022年〜2023年)
- Talk Tennis「Hewitt racquet tension?」(2005年)
- Getty Images:Lleyton Hewitt(2002年ウィンブルドン決勝)


