どうもじょりじょりです。
今日は、ジュスティーヌ・エナン選手が現役時代に実際に使っていたラケットとストリングの紹介です。
エナン選手はベルギーの選手で、全仏オープン4回を含むグランドスラム7勝、2004年のアテネオリンピックの金メダリストです。167cmと小柄ながら、テニス史に残る片手バックハンドで世界1位になりました。2008年に1位のまま一度引退し、2010年に復帰、2011年に肘のケガで再び引退しています。
エナン選手のラケットは、ウイルソンのnTour、(K)Tour、BLX Tourと塗装は変わっていきましたが、中身はずっとハイパーハンマー5.3ストレッチ(パワーホール付き)と言われています。しかもガットなし290gくらい・トップヘビーという、トッププロとは思えない軽さでした。
※2026年10月26日時点でまとめた情報です。プロのラケットの中身はメーカーが公表していないので、型や中身の話は海外の掲示板や当時の報道で言われている情報です。
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この記事のポイント
- 中身はウイルソン ハイパーハンマー5.3ストレッチ(95平方インチ・16×20・27.5インチ)
- ヨーロッパ版だけにあったパワーホール(3時・9時の楕円の穴)付き
- 塗装はHツアー→nTour→(K)Tour→BLX Tourと変わっても中身は同じ
- 2005年の全仏で実物を持ったストリンガーによるとガットなし約290g・バランス35.4cm・長さ70cm・グリップ3
- ストリングはマイヨ・サヴァレのナチュラル(ファーストゴールド)を27kg(約59.5ポンド)。2010年はバボラのVSタッチに変えたという話も
エナンの使用ラケット
Embed from Getty Images Embed from Getty Images上の写真は、2007年の全仏オープン決勝(イバノビッチ選手戦)と、復帰直後の2010年1月のブリスベン決勝(クライシュテルス選手戦)のものです。
中身はハイパーハンマー5.3ストレッチ
エナン選手のラケットについては、海外の掲示板Talk Tennisで2004年ごろから何度も話題になっています。
- 2004年:雑誌の表紙ではHツアー(ハンマーツアー)を持っていたが、「中身はハイパーハンマー5.3ストレッチで、パワーホール以外はカスタマイズしていないと聞いた」という書き込み
- 2005年:全米オープンで使ったラケットがハリケーン・カトリーナのチャリティーオークションに出され、「見た目はnTour 95」と話題に
- 2005年:全仏オープンのストリンガーが「実物を持ったが、nTourの塗装のハイパーハンマー5.3(パワーホール付き)。nTourとは全然違う」と書き込み
ハイパーハンマー5.3ストレッチは、95平方インチ・16×20・27.5インチの長いラケットで、軽くて少しトップヘビー。しかも、アメリカで売られていたものにはパワーホールがなく、ヨーロッパ版だけにパワーホールが付いていたそうです。パワーホールは3時と9時の位置の楕円形の大きな穴で、ストリングが動きやすくなる仕組みです。
驚きの軽さとトップヘビー
2005年の全仏オープンでエナン選手のラケットを持ったストリンガーは、スペックを次のように書いています。
| 項目 | エナン選手(2005年 全仏) | 市販 ハイパーハンマー5.3ストレッチ(MP) |
|---|---|---|
| フェイスサイズ | 95平方インチ | 95平方インチ |
| ストリングパターン | 16×20 | 16×20 |
| 長さ | 70cm(約27.5インチ) | 27.5インチ |
| 重さ | ガットなし約290g(ガット・グリップなしで269g) | 張り上げで284gくらいという書き込み |
| バランス | ガットなし35.4cm(張り上げ・グリップ込みで約37cm) | 3ポイントくらいトップヘビー |
| グリップ | 3 | ― |
このストリンガーは「ガットなし・グリップなしで269g。グリップとストリングを足すと305〜310gで、バランスは約37cm」とも書いていて、掲示板では「トッププロがそんなに軽いはずがない」と議論になりました。ただ、長さとトップヘビーのバランスのおかげで、スイングウェイトは340くらいあったのでは、という計算も出ています。フレームもかなり硬かったと言われていて、そこにナチュラルのフル張りを合わせていました。
| 時期 | 塗装(表向きのモデル) | 中身 |
|---|---|---|
| 〜2004年 | Hツアー(ハンマーツアー) | ハイパーハンマー5.3ストレッチ(パワーホール) |
| 2005年〜 | nTour(95) | 同上 |
| 2008年 | (K)Tour | 同上 |
| 2010年 復帰後 | BLX Tour | 同上(重さを少し足した) |
2010年の復帰も同じラケット
2009年に復帰を発表したときも、ベルギーでは「エナン選手がウイルソンに引退前と同じスペックのラケットを14本注文した」と報じられ、イタリアのウイルソンの代理店も「いつものセッティングのまま」と話していたそうです。2009年12月のブリスベンではBLXの塗装で練習していましたが、掲示板では「塗装はBLXでも、パワーホールが見える」と書かれています。
復帰後の2010年には、コーチが「スピンのために少し重さを足した」と話していて、ストリンガーも「市販のBLX Tourより0.2オンス(約6g)重いだけ」と話していたそうです。のちに出たBLX Tour Limitedは、エナン選手のシグネチャーモデルとして売られた、少し重めの硬いラケットでした。
エナンの使用ストリング
ストリングは、フランスのマイヨ・サヴァレ(Maillot Savarez)のナチュラル「ファーストゴールド」です。2005年の全仏のストリンガーは27kg(59.5ポンド)と書いていて、2006年に掲示板に貼られたストリンギングリストでも「27/27」になっています。
- 2004年:中継で「57ポンドで張っている」と言われていたという書き込み
- 2005〜2008年:マイヨ・サヴァレ ファーストゴールド(ナチュラル)を27kg
- 2009年(復帰前):イタリアのウイルソンの代理店によると、同じナチュラルを25〜27kg
- 2010年:マイヨ・サヴァレの生産の問題で、バボラのVSタッチに変えたという話
掲示板では「ジュニアのころから同じストリングを同じテンションで張っていた」とも言われていて、ストリンガーからは「独特の脂っぽさとにおいがあって張りにくいナチュラル」とも書かれています。また2010年の全豪では「エナン選手は振動止めを付けていないように見える」というスレッドも立っていました。
| 時期 | ストリング | テンション |
|---|---|---|
| 2004年 | ― | 57ポンド(中継の話) |
| 2005〜2008年 | マイヨ・サヴァレ ファーストゴールド(ナチュラル) | 27kg(約59.5ポンド) |
| 2009〜2010年 | 同上→バボラ VSタッチという話 | 25〜27kg |
エナン系のウイルソンを使った僕の感想
ハイパーハンマー5.3そのものは打ったことがありませんが、エナン選手の塗装だったnTour 95と、シグネチャーモデルのBLX Tour Limitedは打っています。
nTour 95は、フレームがほんのりしなってフェイスがたわむ柔らかい打感で、95平方インチとは思えないくらいスピンがかかりました。BLX Tour Limitedは27.5インチでトップヘビーなので好みは分かれますが、しっかり振ったときの感触と球の飛びはすごく好みで、長さのおかげでサーブの威力も出ました。
エナン選手は、この「長くてトップヘビーな95」を硬いフレームとナチュラルの高めのテンションで振り切っていたわけです。小柄な選手が長さとヘッドの重さで威力を出し、ナチュラルの食いつきで片手バックハンドを操っていた、と考えると納得のセッティングです。今のウイルソンなら、ウルトラツアー95CVが同じ系統の95として一番近いと思います。
【Wilson】nTour 95 インプレ|錦織圭選手のプロストックの元とされるモールドは今でも使える
【Wilson】BLX Tour Limited インプレ|錦織圭選手のモールドとも言われるツアー95
【Wilson】ウルトラツアー95CV インプレ|錦織圭選手モデル、95でもかなり飛んで重い球が打てる
市販でエナンのセッティングに近づけるなら
- ラケット:今買えるものならウルトラツアー95CV。雰囲気まで近づけるなら中古のBLX Tour Limitedやハイパーハンマー5.3ストレッチ
- ストリング:ナチュラルのフル張り(VSタッチなど)
- テンション:本人は27kg(約59.5ポンド)。一般の人は高すぎるので、50ポンド前後から
- 注意:本人のラケットはかなり硬かったと言われ、エナン選手も肘のケガで引退しています。真似するならナチュラルで肘を守りましょう
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よくある質問
Q. エナンのラケットは?
A. 塗装はウイルソンのHツアー、nTour、(K)Tour、BLX Tourと変わりましたが、中身はずっとハイパーハンマー5.3ストレッチ(パワーホール付き)と言われています。
Q. エナンのラケットは重かったの?
A. 2005年の全仏のストリンガーによると、ガットなし約290gと軽く、そのかわり27.5インチと長く、バランス35.4cmのトップヘビーでした。
Q. エナンのストリングとテンションは?
A. マイヨ・サヴァレのナチュラル(ファーストゴールド)を27kg(約59.5ポンド)です。2010年はバボラのVSタッチに変えたという話もあります。
まとめ
- 中身はパワーホール付きのハイパーハンマー5.3ストレッチ(95・16×20・27.5インチ)
- 塗装はHツアー→nTour→(K)Tour→BLX Tourと変わっても中身は同じ
- ストリングはマイヨ・サヴァレのナチュラルを27kg
それではここまで読んで頂きありがとうございました。
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参考(確認日:2026年10月26日)
- Talk Tennis「Justine Henin-Hardenne racquet spec?」(2004年〜2021年)
- Talk Tennis「Henin using a light racket」(2004年)
- Talk Tennis「Wilson KTour Nishikori’s and Henin’s」(2008年)
- Talk Tennis「Henin’s Comeback Racquet」(2009年)
- Talk Tennis「Henin hitting with new BLX in Brisbane today.」(2009年〜2010年)
- Talk Tennis「Henin bumps her frame’s weight on comeback?」(2010年)
- Talk Tennis「Maillot Savarez First Gold natural gut」(2010年)
- Getty Images:Justine Henin(2007年全仏オープン決勝)


