どうも、じょりじょりです。
「ガットのテンションって何ポンドにすればいいの?」「張り替えはどれくらいの頻度?」「1回いくらかかるの?」
ショップで「テンションはどうしますか?」と聞かれて、なんとなく「50で」と答えている人は多いと思います。僕もテニスを始めたころはそうでした。
この記事では、ラケットとガットを200本以上試打してきた筆者が、テンションの目安・張り替えの頻度・値段の相場をまとめました。感覚の話だけでなく、Tennis Warehouse Universityが公開しているテンション維持のデータも使って説明します。
結論:テンションの目安はこれ
先に結論です。迷ったら、次の順番で決めてください。
- ラケットに書いてある推奨テンションの「真ん中」から始める
- ポリを張るなら、そこから2〜4ポンドほど下げる
- 飛びすぎるなら上げる、飛ばない・腕が痛いなら下げる(1回に2ポンドずつ)
| ガットの種類 | テンションの目安 | こんな人に |
|---|---|---|
| ナイロン・マルチフィラメント | 48〜55ポンド(約22〜25kg) | 初心者〜中級者、腕に優しくしたい人 |
| ポリ(初めて使う人) | 44〜48ポンド(約20〜22kg) | ポリデビューの人、週1プレーヤー |
| ポリ(使い慣れた人) | 46〜52ポンド(約21〜24kg) | スイングが速い中上級者 |
| ハイブリッド(縦ポリ×横ナイロン) | 縦をナイロンより2ポンドほど低く | 打感を柔らかくしつつスピンも欲しい人 |
ちなみに筆者は、今メインで使っているビースト100 2026に、ゴーセン G-TOUR1(1.25mm)を縦50ポンド・横49ポンドで張っています。ポリとしては少し高めですが、ラケットの飛びが強いのでこのくらいがちょうど良いと感じています(ビースト100×G-TOUR1のインプレ)。
ラケットの「推奨テンション」の見方
テンションを決めるときの一番の基準は、ラケットに書いてある推奨テンションです。多くのラケットは、フレームのスロート(三角の部分)の内側やメーカーのスペック表に「50-59 lbs」のような範囲で書かれています。
アメリカの大手ショップTennis Warehouseも、まずは推奨範囲の真ん中から始め、ポリなら真ん中より2ポンド低くすることを勧めています。範囲の端っこは「張れなくはない」くらいの意味なので、最初から端を攻める必要はありません。
なお、ポンド(lbs)とkgの換算は「1kg=約2.2ポンド」です。ショップによってはkgで聞かれることもあるので、表にしておきます。
| kg | ポンド(lbs) |
|---|---|
| 20kg | 約44.1ポンド |
| 21kg | 約46.3ポンド |
| 22kg | 約48.5ポンド |
| 23kg | 約50.7ポンド |
| 24kg | 約52.9ポンド |
| 25kg | 約55.1ポンド |
| 26kg | 約57.3ポンド |
テンションを上げる・下げるとどう変わる?
テンションを変えたときの変化は、ざっくりこうなります。
| テンションを下げる(緩く張る) | テンションを上げる(硬く張る) | |
|---|---|---|
| 飛び | 飛ぶ(下げすぎたら逆に飛ばない) | 飛ばない(自分で振る必要がある) |
| コントロール | 距離を合わせにくくなる | 狙ったところに収まりやすい |
| 打感 | 柔らかい・ボールを持つ感じ | 硬い・弾く感じ |
| 腕への負担 | 少ない | 大きくなりやすい |
| スイートスポット | 広く感じる | 狭く感じる |
よく「テンションを上げるとスピンがかかる」と言われますが、Tennis Warehouseの解説でも、テンションとスピンの関係は単純ではないとされています。僕の感覚でも、スピン量はテンションよりガットの種類(表面の形状や滑りやすさ)で変わる部分のほうが大きいです。スピンを増やしたいなら、まずガット選びから見直すのがおすすめです(ストリングおすすめ48選)。
「飛びすぎる」「飛ばない」ときの調整
- ボールがアウトする・ふけ上がる:2ポンド上げる。または、ホールド感のあるポリに変える
- ボールが浅い・ネットが多い:2ポンド下げる
- 肘や手首が痛い・打感が硬すぎる:テンションを下げる。それでもダメならナイロンやハイブリッドに変える
一度に5ポンドも10ポンドも変えると、何が良くて何が悪かったのか分からなくなります。変えるのは1回に2ポンドまでにすると、自分に合うところを見つけやすいです。
ポリはナイロンより低く張るのが基本
ポリエステルのガットは、ナイロンに比べて硬い素材です。同じテンションで張ると、ナイロンよりかなり硬い打感になり、腕への衝撃も大きくなります。
ウイルソンの解説でも、ポリは硬いので腕のケガを防ぐために緩めに張ることを勧めています。目安として、ナイロンなら50〜60ポンド、ポリなら44〜54ポンドという範囲が紹介されています。
僕も、初めてポリを使う人には「ナイロンで張っていたテンションから4ポンドくらい下げる」ことをおすすめしています。硬めのポリを高いテンションで張って肘を痛めた、という話は本当によく聞きます。腕の負担が気になる人は、FLAXのレビューも参考にしてみてください。
縦と横でテンションを変える
縦糸と横糸で1〜2ポンドほど差をつけて、横を少し低く張る人も多いです。横糸のほうが短いので、同じテンションで張ると横のほうが硬く感じやすいからです。筆者も縦50・横49のように1ポンド差をつけています。
ハイブリッド(縦ポリ×横ナイロンなど)の場合は、硬いポリのほうを少し低く張るのが一般的です。Tennis Warehouseでは、ポリ側を約5%低くする方法が紹介されています。
張り替えの頻度は? 目安は「週のプレー回数=年間の張り替え回数」
昔からよく言われる目安が、「1週間にプレーする回数と同じ回数だけ、1年に張り替える」というものです。週2回テニスをする人なら、年に2回張り替える計算です。
ただ、これはナイロンが主流だったころの目安です。ウイルソンも、この目安は今では古いとしています。ポリはテンションが落ちるのが早いので、この目安だと長すぎます。
| プレー頻度 | ナイロン・マルチ | ポリ |
|---|---|---|
| 週1回 | 3〜4か月(切れたら交換でもOK) | 1〜2か月(テンション維持が良いポリなら2〜3か月) |
| 週2〜3回 | 1〜2か月 | 3〜4週間 |
| 週4回以上・試合に出る | 1か月 | 2〜3週間(大会前に張り替え) |
ポリは一般的に「寿命は2週間〜1か月」と言われます。ただ、週1プレーヤーがその頻度で張り替えるのは現実的ではないですよね。その場合は、テンション維持が良いポリを選ぶのが一番の節約になります(3か月放置でも性能が落ちにくいポリ3選)。
データで見る:テンションが落ちやすいガット・落ちにくいガット
Tennis Warehouse Universityのデータベースでは、ガットを張ったあとに打球の衝撃を繰り返し与えて、どれだけテンションが落ちるか(テンションロス)を測っています。ストリングおすすめ48選でも紹介したデータから、落ちにくいものと落ちやすいものを抜き出しました。
| ストリング | テンションロス | 傾向 |
|---|---|---|
| ルキシロン 4G | 21.3% | 落ちにくい |
| ヘッド リンクスツアー | 24.6% | 落ちにくい |
| ソリンコ ツアーバイト | 25.2% | 落ちにくい |
| MSV フォーカスヘックス | 27.5% | 落ちにくい |
| ヨネックス ポリツアーレブ | 34.4% | 普通 |
| ヨネックス ポリツアーファイア | 35.0% | 普通 |
| ルキシロン アルパワー | 46.6% | 落ちやすい |
| ポリファイバー コブラ | 63.7% | 落ちやすい |
同じポリでも、落ち方に3倍近い差があるのが分かります。ただし、これはラボでの測定値です。ゲージや測定時期でも数字は変わるので、「傾向を見る目安」として使ってください。なお、筆者が3年以上メインで使っているゴーセン G-TOUR1はこのデータベースに載っていませんが、体感では維持力はかなり良いほうです(G-TOUR1を3年使った評価)。
張り替えどきのサイン
期間よりも、次のようなサインが出たら張り替えのタイミングです。
- ボールが急に飛ぶ・ふけ上がる:テンションが落ちて、面が緩くなっている
- 打感がボケる・ボールが乗らない:ポリの反発が落ちている
- ガットがずれたまま戻らない:表面がすり減って、スナップバックしなくなっている
- 交差部分に深い溝(ノッチ)ができている:そろそろ切れるサイン
- 最近、肘や手首が痛い:伸びたポリは衝撃を吸収しにくく、腕に負担がかかる
特に最後の「腕の痛み」は見落としがちです。「切れるまで使う」という人もいますが、ポリの場合は切れる前に性能が落ちていることがほとんどです。
張り替えの値段の相場
ガットの張り替えにかかるお金は、ガット代+張り代(工賃)です。
| 費用 | 相場 |
|---|---|
| ガット代 | 2,000〜5,000円 |
| 張り代(そのお店でガットを買った場合) | 500〜1,600円 |
| 張り代(ガットを持ち込んだ場合) | 2,000〜3,300円 |
| 合計 | 3,000〜8,000円くらい |
大型スポーツ店では、店で買ったガットなら張り代がかなり安くなることが多いです。一方、ネットで安く買ったガットを持ち込むと、張り代が高く設定されていることがあります。トータルで比べてみてください。
張り替え代を安くするコツ
- ロールで買う:200mロールを買えば、1張りあたりのガット代をかなり抑えられる(ショップでロール預かりをしてくれるところもある)
- テンション維持が良いガットを選ぶ:張り替えの回数そのものを減らせる
- ナイロンやハイブリッドを使う:ナイロンは安いものが多く、長持ちする
- 自分で張る:ストリングマシンの初期投資はかかるけど、頻繁に張る人なら元が取れる(筆者が使っている道具はクリッパーメイトのレビューで紹介しています)
ロールで買うなら、筆者がメインで使っているゴーセン G-TOUR1や、テンション維持がトップクラスのルキシロン 4Gがおすすめです。
よくある質問
張りたてと1日後でテンションは変わる?
変わります。ガットは張った瞬間から伸び始め、特に最初の1日でテンションが大きく落ちます。大会の前日に張り替えるなら、前の日の練習で少し打って馴染ませておくと、当日の打感が安定します。
初心者は何ポンドがいい?
ナイロンなら50ポンド前後、ポリなら46ポンド前後から始めるのがおすすめです。初心者のうちは「飛ぶけどコントロールしにくい」より「少し飛ばないけど面が安定する」ほうが練習しやすいので、極端に低いテンションは避けたほうが無難です。ラケット選びからテンションまでまとめて知りたい人は、テニスラケット診断も試してみてください。
プロはどれくらいで張っている?
プロのテンションは選手によって本当にバラバラで、Tennis Warehouseによると30ポンド台半ばから70ポンド超までいるそうです。プロはボールの質やコンディションに合わせて細かく調整しているので、そのまま真似をするより、自分に合うところを探すのが大切です。
季節によってテンションを変えたほうがいい?
冬は張り上がりが硬く感じる、ボールが飛ばないと感じる人が多いので、1〜2ポンド下げる人もいます。夏は逆に飛びやすく感じることがあります。毎回変える必要はありませんが、季節で違和感があるなら試してみる価値はあります。
まとめ
- テンションはラケットの推奨範囲の真ん中から。ポリはそこから2〜4ポンド下げる
- 飛びすぎなら上げる、飛ばない・腕が痛いなら下げる。1回に2ポンドずつ
- 張り替えの目安は、ナイロンなら「週のプレー回数=年間の張り替え回数」。ポリはもっと早く、週1でも1〜2か月
- 値段はガット代+張り代で3,000〜8,000円くらい
- 週1プレーヤーはテンション維持が良いポリを選ぶと、張り替え回数を減らせる
テンションは「正解」があるものではなく、自分のスイングとラケットに合わせて探していくものです。セッティング全体の考え方はラケットとストリングの「正解」の見つけ方、ガット選びはストリングおすすめ48選にまとめているので、あわせて読んでみてください。
参考資料
- What tension do I string my tennis racquet at?(Tennis Warehouse)
- What String Tension Should I Use in My Tennis Racket?(Wilson)
- How Often Should I Re-String My Tennis Racket?(Wilson)
- Tennis Warehouse University String Performance Database
- テニスガットの張り替え料金相場(PRICEY)
この記事を書いた人:じょりじょり
テニス歴15年・JOP挑戦中。ラケットとガットを200本以上試打してレビューしています。


