テニスをやっている人がピックルボールを始めると、まず戸惑うのがルールと点数の数え方です。コートもネットもテニスに似ているのに、「ボレーしてはいけない場所がある」「サーブは下から」「点数は3つの数字で呼ぶ」など、テニスとはかなり違うところがあります。
この記事では、ピックルボールのルールをテニスとの違いに絞って整理しました。テニス経験者なら、ここを押さえれば最初の1ゲームから困らないはずです。(ピックルボールでは、ラケットのことを「パドル」と呼びます。)
※USA Pickleball(アメリカのピックルボール協会)の2026年版のルールをもとにしています。国内の大会や施設によってはローカルルールがあるので、参加するときは主催者の案内も確認してください。
結論:テニス経験者が押さえるべき違いはこの7つ
- サーブは下から(腰より下で、下から上に振る)。1回だけで、セカンドサーブはない
- サーブはネットに当たっても、正しいコートに入ればそのまま続行(レットなし)
- ツーバウンドルール:サーブとリターンは、必ず1回バウンドさせてから打つ
- ネット前のキッチン(ノンボレーゾーン)ではボレー禁止
- 点数はサーブ側しか入らない(サイドアウト制)。11点先取・2点差
- ダブルスは「自分の点・相手の点・サーバー番号」の3つをコールする
- ラインに触れたボールはイン。ただしサーブがキッチンのラインに触れたらフォルト
コートと道具の違い

| 項目 | ピックルボール | テニス |
|---|---|---|
| コートの大きさ | 6.10m×13.41m(シングルスもダブルスも同じ) | ダブルス10.97m×23.77m |
| ネットの高さ | サイドライン91.4cm、センター86.4cm | ポスト1.07m、センター91.4cm |
| ネット前のエリア | キッチン(ネットから2.13m) | なし |
| 道具 | パドル(ガットなしの板) | ラケット |
| ボール | 穴の開いたプラスチックのボール | フェルトのボール |
| サーブ | 下から、1回だけ | 上から、2回まで |
コートはテニスのダブルスコートの4分の1くらいの大きさで、シングルスもダブルスも同じコートを使います。ネットはテニスより少し低めです。テニスコートでピックルボールをする方法は、テニスコートでピックルボールをする方法|コートの寸法・ラインの引き方・ネットの高さで詳しくまとめています。
サーブのルール:下から、1回だけ
ボレーサーブ(普通のサーブ)
ピックルボールのサーブは下から打つのが基本です。USA Pickleballのルールでは、打つ瞬間に次の3つを満たす必要があります。
- 腕が下から上に振り上がっている
- ボールを打つ位置が腰より下
- パドルの先が手首より上にない
テニスのようなオーバーヘッドのサーブや、横から叩くサーブは反則です。テニス経験者は、ついパドルの先を立てて打ちたくなるので注意しましょう。
ドロップサーブ
もう1つの打ち方がドロップサーブです。ボールを手から落として、1回バウンドさせてから打つサーブで、このときは上の「腰より下」「手首より上にない」などの決まりはかかりません。まずはドロップサーブから始めると、反則を気にせず打てるので楽です。
なお、サーブの前にボールを手で回転させてから打つ(手でスピンをかける)のは禁止されています。
立つ位置と入れる場所
- ベースラインの後ろに、少なくとも片足を着けて打つ(ラインを踏んだり、コートに入ったりしたらフォルト)
- テニスと同じく対角線のサービスコートに入れる
- キッチンとそのラインに落ちたらフォルト。サービスコートのほかのライン(ベースライン・サイドライン・センターライン)はイン
- サーブは1回だけ。テニスのようなセカンドサーブはない
- ネットに当たっても、正しいサービスコートに入ればそのままラリー続行(レットはない)
ツーバウンドルール:最初の2球は必ずバウンドさせる
テニス経験者が一番やってしまいがちなのが、このツーバウンドルールの反則です。
- レシーブ側は、サーブを1回バウンドさせてから返す
- サーブ側も、リターンを1回バウンドさせてから打つ
- この2球が終われば、あとはボレーでもストロークでもOK
テニスのダブルスのように、サーブを打ってすぐ前に出てリターンをボレーする「サーブ&ボレー」はできません。サーブ側は、リターンがバウンドするのを待ってから前に出ることになります。
キッチン(ノンボレーゾーン)のルール
ネットから2.13m(7フィート)のエリアがキッチン、正式にはノンボレーゾーンです。ここがピックルボールで一番特徴的なルールです。
- キッチンの中、またはキッチンのラインを踏んだ状態でボレーをしたらフォルト
- ボレーしたあとの勢いでキッチンに入ってしまってもフォルト(ボールの決着がついたあとでも)
- バウンドしたボールを打つときは、キッチンに入ってOK
- ボールを打っていないときなら、キッチンに立っていてもOK
テニスでは、ネットに詰めてボレーで決めるのが基本ですよね。ピックルボールでは、キッチンのすぐ外まで出て、ネット越しに低く落とす「ディンク」で打ち合うのが基本の形になります。テニスの感覚でネットに詰めると、すぐキッチンに入ってしまうので要注意です。
点数の数え方:サーブ側しか点が入らない
サイドアウト制と、11点先取
普段のピックルボールはサイドアウト制です。サーブ側がラリーに勝ったときだけ点が入り、レシーブ側が勝ったときは、点は入らずにサーブ権が移ります。
- 1ゲームは11点先取・2点差(大会では15点や21点のこともある)
- テニスのような「15・30・40」はなく、0、1、2…と1点ずつ数える
- サーブは、サーブ側が点を取るたびに右と左を入れ替えて打つ
大会によっては、どちらがラリーに勝っても点が入るラリーポイント制を使うこともあります。2026年版のルールでも、ラリーポイント制のやり方が決められています。
ダブルスは3つの数字でコールする
ダブルスでは、サーブを打つ前にサーバーが点数を「自分たちの点・相手の点・サーバー番号」の順で読み上げます。サーバー番号は、そのチームの1人目のサーバーなら「1」、2人目なら「2」です。
- ダブルスでは、2人ともサーブを打ってからサーブ権が相手に移る(1人目が失点したら2人目、2人目も失点したらサイドアウト)
- ただし試合の最初だけは、1人しかサーブを打たない。そのため最初のコールは「0-0-2」から始まる
- サイドアウトのあとは、右側にいる人が1人目のサーバーになる
- サーブ側は点を取るたびに2人で左右を入れ替える。レシーブ側は入れ替えない
| 場面 | コール | 説明 |
|---|---|---|
| 試合開始 | 0-0-2 | 最初は1人だけ打つので「2人目」扱い |
| Aチームが1点取る | 1-0-2 | サーバーは左に移って続けて打つ |
| Aチームが失点 | (サイドアウト) | 最初だけは1人でサーブ権が移る |
| Bチームの1人目 | 0-1-1 | Bチームから見て「自分0・相手1・1人目」 |
| Bチームの1人目が失点 | 0-1-2 | 同じチームの2人目がサーブ |
| Bチームの2人目も失点 | (サイドアウト) | Aチームにサーブ権が移る |
慣れるまでは混乱しやすいので、最初は誰かに点数をメモしてもらうか、「サーブ側しか点が入らない」「2人打ったら交代」の2つだけ覚えておくのがおすすめです。
シングルスは2つの数字
シングルスは「自分の点・相手の点」の2つだけをコールします。サーブを打つ位置は、自分の点が偶数なら右、奇数なら左です。
そのほかの反則(フォルト)
- ボールがアウト、またはネットにかかる
- ボールが体や服、持ち物に当たる
- ラリー中にパドルや体がネット・ネットポストに触れる
- 相手コートで2回バウンドする前に返せなかった
- ボールがコートに落ちる前に、フェンスなど固定物に当たる
ラインの判定はテニスと同じで、ラインに少しでも触れたらインです。ただし、サーブがキッチンのラインに触れた場合だけはフォルトになります。
テニス経験者がやりがちなミス
- サーブの打点が高い:腰より上で打ったり、パドルの先が立っていたりすると反則。慣れるまではドロップサーブが安全
- リターンをすぐボレーしてしまう:ツーバウンドルールを忘れがち
- ネットに詰めすぎる:キッチンに入ってボレーするとフォルト。キッチンのラインの手前で止まる
- 強く打ちすぎる:コートが狭くボールも飛ぶので、テニスの感覚で振るとアウトが増える
- 点数をテニス式に数える:「15-0」ではなく「1-0-2」
逆に、テニスのボレーやスライスの感覚は、ピックルボールでもそのまま武器になります。ネット際のタッチの勝負が多いので、ダブルスでボレーが得意な人ほど早く上達しやすいスポーツだと思います。
これから始める人へ:パドル選びはこちら
ルールが分かったら、次はパドル選びです。テニス経験者の目線で、形・厚さ・重さの選び方と、国内で買えるおすすめをまとめています。
- テニス経験者のためのピックルボールパドルの選び方|形・厚さ・重さを「テニスラケット目線」で解説
- ピックルボールパドルのおすすめ19本|初心者〜上級者のレベル別、国内で買えるモデルを比較
- 【2026年】ピックルボールパドル性能マップ|国内で買える19本を「パワー×スピン」で比較
最初の1本で迷ったら、1万円前後で買えて公認も取っているダイアデムのRUSHが手頃です。
よくある質問
Q. ピックルボールのサーブは上から打ってもいい?
A. いいえ。腰より下で、下から上に振って打つのがルールです。ボールを落として1回バウンドさせてから打つドロップサーブもOKです。
Q. サーブがネットに当たったらやり直し?
A. 今のルールではやり直しはありません。正しいサービスコートに入れば、そのままラリーが続きます。
Q. キッチンには入ってはいけない?
A. 入っても大丈夫です。禁止されているのは、キッチンの中(ラインを含む)でボレーすることです。バウンドしたボールを打つときや、打っていないときは入ってOKです。
Q. 「0-0-2」の「2」は何?
A. サーバー番号です。試合の最初だけはサーブを1人しか打たないので、最初のサーバーを「2人目」として扱い、0-0-2から始めます。
まとめ
- サーブは下から1回だけ、ネットに当たって入ればそのまま続行
- 最初の2球はバウンドさせる(ツーバウンドルール)
- キッチンの中ではボレー禁止
- 点はサーブ側だけ、11点先取・2点差、ダブルスは3つの数字でコール
それではここまで読んで頂きありがとうございました。


