どうもじょりじょりです。
前回の記事で、プリンスの新作「ビースト100(300g)2026」をメインラケットにすると書きました。
その流れで海外のプリンスのラケットも色々調べていたんですが、気になったのが「リップコード100(Ripcord 100)300g」。100インチ・300g・16×19のパワー系で、海外のレビューでも「昔のビースト100を思い出す」と書かれていたりと、まさに海外版ビーストのような立ち位置のラケットです。
ただ、スペックをよく見ると微妙に違うところがちらほら。
というわけで今回は、リップコード100とビースト100 2026のスペックや特徴を徹底的に比較してみました。「リップコードって結局ビーストと何が違うの?」と気になっている方はぜひ参考にしてみてください。

総評
先に結論を言ってしまうと、
「黄金スペック寄りの300g・100インチという骨格は同じ。ただしフレームの形と打感の作り方が違う別物」
という結論になりました。
ビースト100 2026は最大26mmのフレームに振動吸収のPVS2やザイロンを組み合わせた「面安定のフラットドライブ系」。一方リップコード100は先端側が27mmと厚いフレームで、RA68と硬めの「パワー&スピン系」です。
名前もシリーズも違うので当然と言えば当然なんですが、数字を並べてみると思っていたより性格の違いが見えてきました。
☆ポイント☆
- 重さ・フェイスサイズ・ストリングパターンは同じ
- フレームの厚みの配分が違う(ビースト=真ん中が厚い、リップコード=先端側が厚い)
- リップコードはRA68と硬め、推奨テンションも高め
- ビーストはPVS2で振動吸収寄り、リップコードは振動吸収機構の記載なし
- 価格はリップコードの方が安い(ただし国内では入手しにくい)
そもそもリップコードってどんなラケット?

リップコードは海外のプリンスが展開しているシリーズで、プリンス日本公式サイトのラインナップには載っていません。
海外ではO3(オーポート)付きの「リップスティック」と、普通のグロメットの「リップコード」という兄弟シリーズになっていて、リップコードはそのノーマルグロメット版という位置付けです。
300gモデルは2025年に追加されたモデルで、それまでは280gと265gの軽量モデルが中心でした。米国のテニスウェアハウス(TW)では、中級者向けの重さながら上級者でも使えるパワー&スピン系として紹介されています。
ちなみにTWのテスターのうち2人が「昔使っていたテキストリーム ビースト100を思い出す」とコメントしていて、ここが「海外版ビースト」と言われる理由かなと思います。
スペック比較
| 項目 | ビースト100(300g)2026 | リップコード100(300g) |
|---|---|---|
| 販売 | 国内正規(プリンス日本) | 海外(TWなど) |
| 発売 | 2026年9月上旬 | 2025年 |
| フェイスサイズ | 100平方インチ | 100平方インチ |
| 重量 | 300g | 300g(ガット込み318g) |
| バランス | 320mm | 約315mm ※海外ショップ表記 |
| スウィングウエイト | 288 | 304 ※海外ショップ表記(ガット込み322) |
| フレーム厚 | 24-26-23mm | 27-25-22mm |
| RA(硬さ) | 非公表 | 68(TW計測67) |
| ストリングパターン | 16×19 | 16×19 |
| 推奨テンション | 40-48-56lbs | 48-58lbs |
| 素材 | 高弾性カーボン+テキストリーム×ザイロン+高分子エラストマー | テキストリーム/ザイロン/グラファイト |
| 主なテクノロジー | ザイロン、ATS、PVS2、レクサスフレーム&エアロフェイス、エキスパンドパラレルホール | ATS(テキストリーム×ザイロン) |
| 価格 | 41,800円(税込) | 219ドル(TW) |
※リップコードのバランス・スウィングウエイトは公式の統一数値がなく、ショップによって表記が違います。ここでは海外ショップのガット無し表記と、TWのガット込み数値を載せています。
数字だけ見ると「ほぼ同じ」に見えますが、細かく見ていくと違いがいくつかあります。順番に見ていきます。
違い① フレームの厚みの配分
一番わかりやすい違いがここです。
- ビースト100:24-26-23mm(真ん中が一番厚い)
- リップコード100:27-25-22mm(先端側が一番厚い)
ビーストはプリンスの黄金スペックでおなじみの「真ん中が厚い」形ですが、リップコードは先端に向かって厚くなっていく形です。どちらかというと、日本で言うとビーストMAX(27-24-22mm)に近いフレーム形状ですね。
先端側が厚いフレームは、先端寄りで打った時にも飛びが落ちにくく、パワーが出しやすい傾向があります。一方で、厚いフレームの弾き感がより強く出やすいので、打感はビーストよりシャープになりやすいと思います。
違い② 硬さと推奨テンション
リップコードはRA68(TW計測67)と、黄金スペックの中でも硬めの部類です。
ビースト100 2026のRAは公表されていませんが、推奨テンションを比べると違いが見えてきます。
- ビースト100:40-48-56lbs(中心48lbs)
- リップコード100:48-58lbs(TW推奨53lbs)
リップコードの方が推奨テンションがかなり高めです。硬めのフレームでパワーが出る分、高めのテンションで飛びを抑える前提の設計なのかなと思います。もし買って張る場合は、ビーストと同じ感覚のテンションで張ると飛びすぎる可能性があるので注意したいところです。
TWのテスターも「硬めの割に不快ではない」と評価しつつ、「球持ち(ポケット感)は少なめ」と書いていて、柔らかく包む系の打感ではなさそうです。
違い③ 振動吸収とテクノロジー
ビースト100 2026は、グリップからシャフトまで高分子エラストマーを入れた「PVS2」を搭載しています。前回の記事でも書きましたが、筆者が打った時に嫌な振動をほとんど感じなかったのはこのPVS2の効果が大きいと思います。
さらにザイロンで面のねじれに強くして、エキスパンドパラレルホールでスイートエリアを広げる設計です。
一方リップコード100は、テキストリーム×ザイロンのATS(アンチトルクシステム)は共通ですが、PVSのような振動吸収機構の記載は見当たりませんでした。グロメットも普通のタイプです。
同じATSでも、ビーストの方が「打感を整える」ためのテクノロジーが多く積まれている印象ですね。価格差はこのあたりにも出ているのかもしれません。
違い④ スウィングウエイトと振り抜き
スウィングウエイトはショップによって表記がバラバラなので、正直ここは単純比較が難しいです。
- ビースト100:288(プリンス日本公式・ガット無し)
- リップコード100:304(海外ショップ・ガット無し)/322(TW・ガット込み)/326(TW計測・ガット込み)
数字だけ見るとリップコードの方が重く見えますが、メーカーやショップによって測り方が違うので、あくまで参考程度に見ておいた方がいいと思います。
TWの評価では操作性(Maneuverability)が8.6と高めで、「振りやすい」「取り回しが良い」という声が多かったです。筆者がビースト100で感じた「VCOREに近い振り抜きの良さ」とも方向性は近そうですね。
海外レビューから見るリップコードの評価
スペックだけだと偏るので、TWのレビュー(2025年7月)の評価もまとめてみました。総合は8.5点です。
| 項目 | 点数 |
|---|---|
| ストローク | 8.6 |
| ボレー | 8.3 |
| サーブ | 8.4 |
| リターン | 8.5 |
| パワー | 8.8 |
| コントロール | 8.1 |
| 操作性 | 8.6 |
| 安定性 | 8.2 |
| スピン | 8.7 |
| 打感 | 8.5 |
評価が高かったところ
- パワーとスピンのバランスが良く、誰でもすぐ使える
- 16×19の割にコントロールが効く(O3付きのリップスティックよりは収まりが良い)
- ファーストもセカンドもサーブが打ちやすい
気になる点として挙がっていたところ
- 球持ち感は少なめ
- パワー寄りなので、強く打つとたまに暴れる
- 面のねじれ安定性がもう少し欲しい(1人)
ボレーは8.3と悪くはないものの、テスター全体の評価は「普通に良い」くらいの温度感でした。
ここがビースト100との一番の違いかなと思います。筆者がビースト100で一番良かったのがボレーで、「浮かずにブレない」という評価だったので、面の安定性はビーストの方が一枚上という印象です。ザイロン+PVS2の効果が出ている部分だと思います。
ビースト100とリップコード100の性格の違い
ここまでの内容をまとめると、こんなイメージです。
| 項目 | ビースト100 2026 | リップコード100 |
|---|---|---|
| 打感 | 硬すぎず柔らかすぎず、振動少なめ | 硬め・シャープ、球持ち少なめ |
| 飛び | 適度、コートに収まりやすい | 強め |
| 軌道 | やや低めのフラットドライブ | スピンをかけて落とす系 |
| 面の安定性 | 高い | 標準 |
| ボレー | 浮かずにブレない | 操作性は良いが普通 |
| 価格 | 高め | 安め |
ざっくり言うと、
- ビースト100:面の安定性と打感の良さで「全部のショットをまとめる」ラケット
- リップコード100:硬めのフレームで「パワーとスピンを手軽に出す」ラケット
という違いですね。
同じ「プリンスの300g・100インチのパワー系」でも、ビーストは日本向けに打感や安定性をしっかり作り込んだモデル、リップコードは価格を抑えつつパワーとスピンを出すモデル、という住み分けになっていると思います。
筆者ならどっちを選ぶ?
筆者は今回ビースト100をメインにすると決めたばかりなので、正直に言うとやっぱりビースト100です。
決め手になったボレーの安定感や、打ち込んでも合わせても収まる感覚は、ザイロンとPVS2の作り込みがあってこそだと思うので、そこを求めるならビーストの方が合っていると思います。
ただ、リップコードにも魅力はあって、
- 海外通販なら価格がかなり安い
- スピンをかけて高い軌道で落としたい人には合いそう
- ビーストMAXのような「先端厚め」のパワー感が好きな人には刺さりそう
というあたりは気になるポイントです。機会があれば一度打ってみたいですね。
こんな人におすすめ
ビースト100 2026がおすすめな人
- 面の安定性を重視したい、ボレーでブレたくない
- 振動の少ない打感が好き
- 低めの軌道でスピードのあるフラットドライブを打ちたい
- 国内正規品で安心して買いたい
リップコード100がおすすめな人
- とにかく楽にパワーとスピンを出したい
- 硬めでシャープな打感が好き
- ビーストMAXのような先端厚めのフレームが好み
- 海外通販や並行輸入でコスパ良く手に入れたい
まとめ

リップコード100は「海外版ビースト」と言われるだけあって、300g・100インチ・16×19という骨格はビースト100とほぼ同じでした。
ただ、フレームの厚みの配分、硬さ、推奨テンション、振動吸収テクノロジーの有無と、中身はけっこう違います。面の安定性と打感の良さを取るならビースト100、パワーとスピンをコスパ良く取るならリップコード100、という選び方になると思います。
リップコードは国内ではなかなか試打できないラケットなので、気になる方はスペックの違いを参考にしつつ、特にテンション設定には注意してみてください。
それではここまで読んで頂きありがとうございました。


